以心伝心

先生は今日誕生日でも何でもないけれど、プレゼントをもらいました。

それは東京から届いた、中も外もふわふわとして、とても暖かいスリッパです。

底までウールになっていて、全体がとても柔らかく、手袋みたいだなと思いました。

プレゼントの箱

さっそく両手にスリッパをはめて、これでそのまま町にも行けるだろうかと真剣に思った時、同封されていたカードがはらりと落ちました。

そのカードの文字を見て、にぎにぎしていた先生の手が止まったのです。

それが、“変な字コレクション” に堂々エントリーできる、実に見事な仕上がりだったからです。

変な字コレクション その2

全体的に完成度の高い作品でしたが、中でもひときわ異彩を放っていたのは以下の字です。↓

変な字。記号にしか見えない。


毎日学校で、国語を学んでいる皆さんなら、すぐに読めるかもしれません。

先生は両手がスリッパでふさがっていたので、落ちたカードをしゃがみこんで見るロスタイムがありましたが、たいだい三秒で解読しました。

以心伝心

字は、時として体裁よりも、そこに託された気持ちの方が大事なのかもしれません。

心を込めて書かれたものは、読みづらい字でもちゃんと何かを伝えてくれます。

言語の違いや文化の違いなど、人間同士はいろいろありますよね。
でもお互いに少しのズレは大目に見て、およそ心が通い合っている事を喜ぶのが、ちいさな幸せの秘訣と言えましょう。

暖かそうなスリッパとマフラー

「ねえちゃんへ、くつしたみたいなあったかいスリッパ送ります」

弟よ、素敵な贈り物をありがとう。
姉は今、手がとっても暖かいです。

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