ぼそ号冬仕様
冬目前、ケモノ道の往来の激しさが気になります。
彼らのなじみの道と、先生の玄関への道が交差しているのです…。
時間をずらして互いの接点を減らすとしても、逢魔が時だって先生は人間社会に用がありますもの。
ねぇ。
窓の外に鹿が転がっていても、行かねばならない時はある。

表丹沢最強の機動力を誇る三郎君に出動を要請しても、さすがに当該自衛官に瞬間移動の能力まではありません。
「家に出入りしたいだけなのに、いつもなんかいる」
そうぼやいたところ、
「薄暮での行動を慎み、ぼそ号前面にクラッカー背面に面具を装備、急場をしのぐべし」
と冬季行動並びに装備計画をあげてくれました。


ぼそ号、冬季仕様ニ即時変更セヨ。
というわけです。
それって効くのかしらね?
脱却ヲ求ム
しかしまあ、通りたくても通るに険しい道というのは、人生にもあります。
先生はただ自宅に入れないだけですが、皆さんにとっては大会が、そうした“容易には通れぬ人生の道”である可能性が高いものです。
週に一回か二回、言われた通り練習するだけで、道の真ん中を王者として通行したり、あるいはまるでエスカレーターで運ばれるように高みに行けると思ってはいけません。

その道には当然行く手を阻む敵手がいます。
門前払いを食らわせる番人までいるかもしれません。
だから、大会の備えについて考えて欲しいのです。
欠席が多く、套路すらまだ覚えていないのなら、自分でおうちで予習・復習をするのが当たり前です。
休まず来ている子の時間を奪って、先生に二度手間の補習を組んでもらうのを待つだけなんて、とんでもないことです。
(先生は歯に衣を着せないのです!)
もし柔軟や体力が足りないと感じるのなら、ストレッチや走り込み、食生活の見直しなどが必要です。

二度三度同じことを言われないように、練習にはメモ用紙を持ってきて、指示されたことを書き留めておきなさい。
単に動画を見てイメージトレーニングするだけでも、何もしないよりはずっと良いでしょう。
先生は訓練の方向や方法を教えられますが、それを詰めていくのは皆さん自身にしかできません。
先生はあくまで補佐、道を行くのは皆さん自身ですよ…!

年が明ければ間もなく大会です。
体育館での練習だけに頼っていては、休まず出たとしても30回くらいしかありませんが、自主的に鍛えるなら100回以上も練習できます。
試合で勝った負けたと騒ぐ時、水面下にはライバルと、この違いがあるのです。
障害物を乗り越えどうすれば望むように進めるのか、
中秋の今、それを考えてみてください。
命令

冬目前ニシテ神奈川県大会マデ僅カナリ。
各々大会参戦仕様ニ即時変更セヨ。
個別訓練計画ヲ策定シ、自主鍛錬ヲ以テ任務達成ノ基盤ヲ築ケ。

