長拳自選套路の作り方|自選套路を編成するときに考えたいこと

武術太極拳の競技会では、規定套路だけでなく、選手自身が構成を考える「自選套路」が用いられる部門があります。

自選套路では、決められた套路を覚えて演じるのとは違い、数多くある武術の動作の中から必要なものを選び、一つの套路として組み立てていかなければなりません。

そのため、

  • 「どの動作を入れればよいのか」
  • 「動作をどのようにつなげればよいのか」
  • 「難度の高い動作はどこに置けばよいのか」
  • 「套路全体をどのようにまとめればよいのか」

など、実際に編成を始めるとさまざまな問題が出てきます。

自選套路は「動作を並べる」だけではない

自選套路を作るとき、最初に思いつくのは、得意な動作や華やかな動作を選んで並べていくことかもしれません。
しかし、それだけでは一つの套路としてまとまりません。

一つの動作をどこに置くのか。
その前後にどのような動作をつなぐのか。
套路全体の中で、その動作をどのように生かすのか。
さらに、演じる選手の身体的な特徴や得意・不得意、演技の目的なども考える必要があります。

つまり自選套路の編成には、個々の動作を見るだけではなく、一套全体を一つの演技として捉える視点が必要になります。

自選套路の素材は身近なところにもある

観客と選手の楽しみのために編成された水墨扇の演技

自選套路の素材は、特別なものだけから探す必要はありません。
普段の練習で行っている動作、文献や映像、他の選手の演武、他拳種の動作など、さまざまなものが素材になります。

ただし、他拳種などから取り入れた動作を、そのまま長拳の套路に入れればよいというわけではありません。その動作をどのように扱うかによって、套路全体の印象も変わってきます。

また、同じ素材であっても、誰が演じるかによって生き方が変わります。

理想の自選套路編成は、単に「珍しい動作を入れた新しい套路」を作ることではなく、素材と演じる人との組み合わせまで考えて作っていくことのように思われます。

競技用の自選套路なら、さらに考えることが増える

競技会に出場するための自選套路では、自由に好きな動作を組み合わせればよいわけではありません。

大会によって競技規則が定められているため、その内容を確認したうえで套路を構成する必要があります。
しかも競技規則は、時代や大会によって変化しています。

そのため、自選套路を編成するときには、単に「これまでこうだった」という知識だけでなく、出場する大会の規則を確認することが重要になります。

では、実際にどう套路を編成するのか

ここまで書いたように、自選套路の編成には、動作そのものだけではなく、

  • 競技規則
  • 素材の選択
  • 動作同士のつながり
  • 套路全体の構成
  • 演じる選手の特徴
  • コート上での動き
  • 演技全体のバランス

など、さまざまな要素を同時に考える必要があります。

では、実際に自選套路を編成するときには、これらをどのような順番で考えていけばよいのでしょうか。

自選套路の編成はいくつかの工程に分けて整理すれば進めやすくなります。

具体的な編成方法については、noteにまとめました。

▶ [長拳の自選套路をどう編成するか|競技会に向けた套路編成の8ステップ]

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参考文献

1) 『武术』, 体育院,系教材编审委员会,《武术》编写组编,人民体育出版社,上册,pp.144
150
2)劉暢,中国武術における套路競技の過去と将来: 武術規則の変遷と武術性の分析から, 武
道学研究,52(1)pp.1-13, 2019
3)『武术套路竞赛规则1996』,第二十五条, 第二十九条,人民体育出版社,pp.28-29,
4) 『武术套路竞赛规则与裁判法』,第六章第三十三条,国家体育总局武术运动管理中心审定,
人民体育出版社,2012
5) M. ISHIKAWA,競技会に向けた、長拳自選套路の編成法,2024
6) M. ISHIKAWA,競技会に向けた、長拳自選套路の編成法 補足,2024

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